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case③ 腱板断裂

**腱板断裂(けんばんだんれつ)**は、肩関節にある筋肉の一群である**腱板(けんばん)**が部分的または完全に断裂する状態を指します。腱板は肩の動きと安定性を保つために重要な役割を果たしており、その損傷は肩の痛みや機能障害を引き起こします。

### 1. **腱板の構造と機能**
腱板は、肩甲骨から上腕骨に付着する4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)の腱から成り立っています。これらの腱は肩関節を覆い、肩の安定性を維持しながら、腕を上げたり回したりする動作を支えています。

2. **腱板断裂の原因**
腱板断裂の原因には以下のようなものがあります:

- **加齢による変性**: 年齢とともに腱板の血流が減少し、組織が弱くなります。これにより、断裂のリスクが増加します。

- **急性の外傷**: 転倒して肩を強打したり、肩を強く引っ張られたりすると、腱板が損傷することがあります。

- **繰り返しの使用**: 肩を頻繁に使用するスポーツ(野球、テニス、バドミントンなど)や職業(ペインター、大工など)は、腱板に繰り返し負荷がかかり、断裂を引き起こすことがあります。

3. **症状**
腱板断裂の主な症状には以下があります:

- **肩の痛み**: 特に腕を上げる、横に広げる、または回すときに痛みが生じます。夜間に痛みが悪化し、睡眠が妨げられることもあります。

- **肩の筋力低下**: 腕を上げたり、物を持ち上げたりすることが困難になります。完全断裂の場合、特定の動作ができなくなることもあります。

- **肩の可動域の制限**: 肩の動きが制限され、特に上方や外側への動きが困難になります。

4. **診断**
腱板断裂の診断には、以下の手順が含まれます:

- **問診と身体検査**: 医師は患者の症状や肩の動き、痛みの部位を評価します。

- **画像検査**: MRI(磁気共鳴画像)や超音波検査は、腱板の損傷の程度を評価するために使用されます。X線は骨の異常を確認するために使用されますが、腱の状態は直接確認できません。

5. **治療**
腱板断裂の治療は、損傷の程度や患者の年齢、活動レベルに応じて異なります。

- **保存療法**: 軽度の断裂や年配の患者には、安静、鎮痛薬、理学療法(リハビリ)が推奨されることがあります。理学療法では、肩の可動域を改善し、筋力を強化するエクササイズが行われます。

- **手術**: 完全断裂や保存療法が効果を示さない場合、手術が必要になることがあります。手術では、損傷した腱を修復し、肩の機能を回復させることを目指します。一般的な手術には、関節鏡視下修復術や開放修復術があります。

6. **リハビリと予後**
腱板断裂後のリハビリは、肩の可動域と筋力を回復させるために非常に重要です。手術後も数ヶ月にわたるリハビリが必要であり、完全な回復には6ヶ月以上かかることがあります。リハビリの進行状況や回復のスピードは、個々のケースにより異なります。

7. **予防**
腱板断裂を予防するためには、肩の筋力を維持し、柔軟性を高めるエクササイズが推奨されます。また、肩に過度の負担をかけないようにすること、適切なフォームで運動を行うことも重要です。

腱板断裂は、肩の機能に大きな影響を与える可能性があるため、早期の診断と適切な治療が重要です。

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