【SOT（仙骨後頭骨テクニック）によるカテゴリー分類とは】※カテゴリー1は1個前の投稿
SOT（Sacro Occipital Technique）は、仙骨と後頭骨の連動性と、脳脊髄液・硬膜・神経機能の統合に着目した評価法です。
本来カイロプラクティック由来の手技体系ですが、その診断的視点は、現代徒手療法の臨床評価においても極めて有用とされています。

この画像はSOT理論における**「機能障害の段階分類（カテゴリー分類）」**をもとに、腰部・骨盤帯の障害の進行メカニズムを視覚化したものです。

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【カテゴリー2：仙腸関節由来の体重支持障害】
仙腸関節（SIJ）は、体幹から下肢へ荷重を伝える中継点であり、機能的な「スリング構造（支持弾力構造）」を形成します。
この関節に**ゆるみ（mobility dominance）**が生じると、骨盤帯の安定性が損なわれ、二次的に以下の症状が波及します：
• 仙腸関節痛・腰仙部痛
• 股関節周囲の運動痛
• 頸部痛（胸腰筋膜連鎖による）
• 上下肢の放散痛（求心性抑制反応による）

仙腸関節が不安定になると、骨盤のテンションバランスが崩れ、各関節に過負荷が蓄積されます。
→これは「ローカル・スタビリティ障害」→「グローバル・ディスファンクション」へと進行する前段階です。

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【カテゴリー3：椎間板・腰椎構造の破綻】
仙腸関節の不安定性が長期化または補償に失敗すると、支持基盤である仙骨の傾きや捻れが腰椎へ伝達。
特にL4〜S1間の前方剪断ストレスが増大し、椎間板や椎体終板に構造的な損傷が生じます。
• 強い下位腰痛
• 坐骨神経痛（神経根症状）
• 荷重に耐えられない椎間不安定性
• 側弯・回旋変位による神経血流障害

この段階では、椎間板内圧の調整能力の低下＋深層安定筋（多裂筋群）の反応不良が絡み合い、運動連鎖破綻が確定的になります。

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【SOT診断法の臨床的意義】
SOTでは、カテゴリーごとの反射パターン、脚長差、硬膜テンション、後頭骨の動態評価を通して、
“構造の破綻段階”を多角的に分析可能です。
これにより、
「痛みのある場所＝原因の場所ではない」
という原則を守りつつ、
局所と全体の相関性を論理的に組み立てることができます。

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【杉山手技療法での応用】
当院では、このような視点をベースに、
• 仙腸関節のモビライゼーション
• 椎間関節のテンションコントロール
• 脳脊髄液循環と深層筋反射系の再統合

などを行い、「構造・循環・神経」の三軸を用いた根本アプローチを提供しています。

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不調は、いきなりカテゴリー3に至るのではなく、「微細なゆるみ・可動域の逸脱」から始まります。
腰痛・坐骨神経痛の背景には、骨盤由来の破綻連鎖が潜んでいる可能性があります。

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