【仙腸関節の機能と運動学的意義―骨盤の“わずかな変位”が全身

query_builder 2025/05/23
腰痛
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【仙腸関節の機能と運動学的意義―骨盤の“わずかな変位”が全身運動に及ぼす影響】

本日の解剖イラストは、仙腸関節(SIJ)の代表的な変位メカニズムと、骨盤の構造的特徴を図示しています。
仙腸関節は仙骨と腸骨の間に位置し、わずか数mm〜数度という微細な可動性を持つ、安定性と可動性を兼ね備えた関節です。この“ミクロな動き”が、ヒトの立位保持や歩行、スムーズな荷重移動・運動連鎖において極めて重要な役割を果たしています。

▼仙腸関節変位の運動学的影響
SIJの変位(前上方、後下方、上方、下方、外方など)によって体幹-骨盤-下肢の運動連鎖は容易に破綻します。例として:

・仙腸関節の後下方変位:仙骨が腸骨に対して後下方へ偏位することで、骨盤前傾が制限されやすく、股関節の伸展可動域や大腰筋・ハムストリングスの機能低下を招く。歩行時やランニング時に股関節伸展→骨盤後傾の協調運動が阻害され、結果的に代償動作や筋緊張、腰部・下肢の障害リスクが上昇する。

・上方/下方変位:上方偏位は片脚立位や踏み込み動作時、骨盤ベルト内圧の減少や腸腰靱帯へのストレス増加を引き起こす要因となり、パフォーマンスや安定性に悪影響を与える。

・外方変位:骨盤幅の左右差や寛骨臼のアライメントが乱れると荷重伝達の偏位を生み、膝・足部への負荷増大や膝関節障害の間接的因子となる。

▼臨床的インパクト
運動器障害や慢性腰痛症例では、“仙腸関節の微小変位”が体幹安定性の低下やコア筋群(特に腹横筋・多裂筋・骨盤底筋)のタイミング異常とも関連することが近年の運動学研究で示唆されています。また、その評価および治療には静的な触診だけでなく、「Functional Movement」視点での動的アセスメント(例:片脚立位、股関節開閉動作、歩行観察等)が不可欠です。

▼運動介入と修正トレーニング
実際の臨床ではSIJ変位パターンに応じて、運動療法やモビライゼーションを適宜組み合わせることが求められます。
骨盤の安定化には腹横筋・多裂筋・大臀筋の賦活等、局所-全身の協調強化エクササイズも有効です。また、運動連鎖(Kinetic Chain)の観点から「下肢→骨盤→体幹」の動作評価→適合的アプローチを行うことで、根本的な機能改善を目指せます。

画像を通して、臨床的評価やトレーニングプランニングの一助となれば幸いです。ご質問や臨床応用のご相談もお気軽にどうぞ。

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杉山手技療法・西宮北口

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